兵庫県では1970年代中ごろから、病院や保健所が開いた家族の
学習会がもとになって家族会がつくられはじめ、ここから各地域に
活動を広げる家族会がふえ、偏見と差別の強い中で努力を積み
重ねてきました。ほとんどの地域家族会は作業所の運営をして、
作業所と一体になって活動し発展してきました。
その後、家族会以外にもいろいろな設立母体が作業所を立ち上げ、
精神障害者のための社会資源が増えてきました。
2005年ごろより作業所など施設を運営する各団体の法人化が進み、
家族会は施設の運営から徐々に離れ、家族自身のための家族会という
形を鮮明にしましたが、それまで育ててきた施設を運営する法人との
連携は現在も緊密に保たれています。
集まって話し合うことによって、悩んでいる多くの家族がいることを知り、自分の話が聞いてもらえるという体験から癒されます。行事やレクレーションを通じて相互の理解、親睦を深め、経験を深めて元気をもらいます。お互いに知識やさまざまな情報を交換し、困っていることについて実際的な対処方法が得られます。
病気そのもの、薬や治療、リハビリあるいは施設などの社会資源、そのほか社会福祉制度、法制度などあらゆる方面にわたって学習します。学習の機会は定例会、家族教室、学習会や研修会、講演会やフォーラム、見学会などです。単なる聞き役としての参加ではなく、家族も発言しながら学べる機会が多くあります。
医療や制度や施策などを良くしてほしい、改めてほしいという要望の提出、陳情、提言、公の委員会等への参画、署名運動、会誌の発行などの啓発・広報活動、家族相談の実施など。家族の発言は地域で重要な位置をしめるようになってきました。